第1回はたらくコンソーシアム 開催レポート
2024.08.06
開催日時・場所
日時
2024年7月24日(水) 16:00~18:00
場所
東京大学本郷キャンパス 経済学研究科学術交流棟・小島ホール
参加者
東京大学大学院
経済学研究科 准教授
稲水伸行様
株式会社クロスキャット
管理統括部 人事部 部長
細根宇紘様
株式会社三友システムアプレイザル
経営企画室 次長兼営業本部次長
高田悠様
株式会社ティーズブレイン
代表取締役
竹下仁様
事務局
株式会社ライフワークスタイルラボ
はたらくコンソーシアム事務局長
森美香
稲水先生からの所信表明
・「はたらく」は、欧米的な労働の価値観と異なり、日本においては“傍(はた)を楽にする”という語感がある。1人で取り組む働くという周りを幸せにするために取り組むところが特徴的。
そこに日本企業らしさが発揮され、強みになる。このあるべき姿を追求したい。
・モバサクというサーベイをとっかかりにして、企業ごとの近しい未来のあるべき働き方の仮説をご参画企業の実践を通じて明らかにしていきたい。そして、その手掛かりを示し多くの企業の発展に貢献していきたい。
・ものづくり経営研究コンソーシアムが、20年・200回超にわたって日本のものづくりの発展に寄与してきたように、同様の“はたらく”という普遍的テーマを掲げた「はたらくコンソーシアム」を100回、200回と続けていきたい。
クロスキャット・細根様より参画された理由のご共有
・IT企業として自身の経験を踏まえながら、エンジニアの働き方について全社最適をどのように見出していくか追究するために参画された理由をご説明いただきました。
三友システムアプレイザル・高田様より参画された理由のご共有
・不動産鑑定業として商品が短納期化。旧態依然の働き方では難しくなり変えようとしたところでコロナに直面して、在宅とオフィスを使った働き方が分散。価値観の多様化を踏まえて、コミュニケーションを取りやすいオフィスを整えモニタリングしたいと参画された理由をご説明いただきました。
ティーズブレイン・竹下様より参画された理由のご共有
・オフィス構築・移転のプロジェクトマネジメントが基幹事業で、家具メーカーでもデザイン事務所でも内装工事会社でもない、顧客視点で中立・透明性を保ちながら、オフィスを顧客課題解決の手段として実行するのが当社のスタイル。ところが、何割かのお客様企業で3か月、4か月経って、オフィスがどう機能しているか拝見すると、“使われていない””運用がうまくいってない“…というようなオフィスになってしまう。そんな時に稲水先生から
「“オフィスで働いている多くのメンバーの日々の想いや実際の行動”や
“これからの働き方やオフィス環境の課題”を共通認識した上でオフィス構築しないと、
表層的な課題解決で終わり経営課題を解決できるオフィス構築はできない」と助言をいただきました。
8年前の出来事です。そこから顧客サービスも試行錯誤。自社においても、多様な職種ごとに市場価値を上げる、事業の業績を上げる、を考えるとき、ご参画企業の知見をいただきながら解決策をコンソーシアムを通じて解像度を高められたらと参画された理由をご説明いただきました。
いよいよ本題へ・・・
自己紹介と参画理由を共有した後、いよいよ本題へ。
稲水准教授より、はたらくコンソーシアムで標榜する「働き方と組織のあり方に革新をもたらす」に向けて、「社員の行動」「組織」「環境」の3つの視点で追究する意義、学術的裏づけ、表出する因子の位置づけなどを細かく共有が行われました。
※ご関心がある企業様は「お問い合わせ」よりご相談ください。
ここで、企業の働き方や組織のあり方について披露された数例のうち1例をご紹介します。
職種や出社が分散した働き方が実体化していたとある企業では、肌感覚としてもヨコ連携が不足し、マネジメントが行き届かず離職にも繋がっていました。サーベイでは思った以上に数値が低く、より鮮明に「コミュニケーション」が課題としてとらえられました。しかしながら、ビジネスモデルを短期的に変えることはできません。そこで、経営陣がとった行動は・・・。
社長自らが社員のハブになって、社員が入れ代わり立ち代わり出社したくなるとある仕掛け・仕組みでした。
経営が期待する「分散した働き方」が「分断」となっていた状態から、いまでは期待通りの「分散」に改革できたという事例です。
そこからは、参加各社が働き方について経験や近未来の展望をディスカッション。
最後に、㈱ティーズブレインの「社員の行動」「組織」「環境」における2023年度と2024年度の経年比較したサーベイ結果が共有されました。
稲水准教授の結果に対する示唆をいただきながら、参加メンバーが実体はどうなのかという質疑を加えたやり取りがはじまりました。
とくに強調されたのが、全社的に見えていることだけではなく、役職、職種、部門・部署、勤続年数、年代をしっかりとブレイクダウンして個別にみていくこと、実体を問診して課題の解像度を高めること。
結果数値だけではなく、また定性情報だけでなく、さらに学術的視点だけでなく、第三者視点も交えた洗い出しが重要ですね。
あっという間に、所定時間(ちょっとオーバー)。
第2回の開催が楽しみな気持ちで閉会となりました。
連絡先
株式会社ライフワークスタイルラボ 事務局長:森
E-Mail:press@lwlabo.jp