人材強化のための実践的学び
2024.08.07
今回のインサイトは「将来に向けて人材を強化するための実践的学びの機会の重要性」がテーマ。
生産性向上に伴奏するCXかえる事業部のコンサルタントが、企業の管理部門が抱える悩みのひとつである組織の生産性を高める方法について、「人材・組織・環境」の面から成功のポイントをお伝えしていきます。
目次
コンサルタント プロフィール
株式会社ライフワークスタイルラボ
CXかえる事業部
ソリューション開発・企画グループ
ディレクター
庄司高浩
これまで大手外資系企業、コンサルティングファームにて多数の変革プロジェクトをリード。
特に生産性向上・業務改善における実行支援を中心に、全社オペレーション改革、DX支援、組織マネジメント変革、幹部育成など幅広い分野で目に見える成果創出にこだわり支援を行う。
はじめに
現代の激動の時代において、企業にとって人材強化は持続的な競争力確保の最重要課題の一つとなっています。しかし、従来の画一的な人材育成手法では、変化のスピードに対応できない、育成効果の測定が困難、真のスキルや知識が身につかないなどの課題が指摘されています。
人事コンサルタント会社であるロミンガー社が提唱した「ロミンガーの法則」では、人材の成長は70%が「実務経験」、20%が「他者からのアドバイスやフィードバック」、そして10%が「研修」から得られるとされています。
では、成長のためにどのような「実務経験」が必要とされるのか。漫然とルーティン業務をこなしているだけでは成長は限られるでしょう。やはり「個人にとって挑戦的な仕事」や「修羅場体験」など経験したことのない難しい仕事に挑戦することで、新しい知識やスキルが必要となり成長に結びつきやすくなるということだと思います。
そこで注目したいのがプロジェクト型学習(PBL)です。本稿ではその特徴や導入効果などについて考えてみたいと思います。
プロジェクト型学習(PBL)
PBLは、社員が自ら課題を設定し、調査、分析、解決策の検討、実行、発表を行うことで、主体的に学ぶ学習方法です。机上の空論ではなく、実際に手を動かし、試行錯誤することで、より深い学びを得ることができます。事例としては、社内におけるリアル課題解決に向けたプロジェクトや新規事業開発プロジェクトなどで育成目的を兼ねながら実施されているケースもお見受けします。
PBLの5つの特長
① 主体的な学び:
社員(またはチーム)自身が課題設定を行い、主体的に学習を進めることで、高いモチベーションと積極性を育むことができ、かつ実際の課題解決にもつながります。
②実践的なスキル・知識の習得:
実際の課題解決に取り組むことで、問題解決能力、コミュニケーション能力、情報収集能力などの実践的なスキルや知識を習得することができます。
③創造性・思考力の向上:
様々な視点から課題を分析し、解決策を検討することで、創造性や思考力を高めることができます。
④協調性・チームワークの育成:
グループで協力してプロジェクトを進めることで、協調性やチームワークを育むことができます。
⑤リーダーシップ開発:
チームをまとめ、課題解決を導くことで、リーダーシップスキルを磨くことができます。
PBL実施における留意点
PBL実行のための事前準備や指導サポートに相応の時間がかかります。 また、役割によってはすべての社員が一律に効果的に学べないケースもあり、理解度や達成度を評価することが難しい場合もあります。
PBLを効果的に導入するための3つのポイント
①社員の興味や関心に基づいた課題設定:
社員が自らの課題として捉えられるような、興味や関心に基づいた課題を設定
②適切なサポート体制:
社員が主体的にプロジェクトを進められるように、プロジェクトチームへのサポート体制を組織として整備
③公正な評価:
主体的な行動の成果を評価できるような評価方法
まとめ
人材育成は、企業の成長を支える重要な投資です。その観点からも、ご紹介したPBL含め成長を促す「実務経験」を意図的に創り出しマネジメントしていくことは大変意味のあることだと思います。
ぜひ皆さまの組織でも一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
【おまけ】庄司の快し日々
今回は、関西屈指のパワースポット「朝護孫子寺」(奈良)です。
聖徳太子ゆかりの霊山として知られています。
「寅の寺」とも呼ばれ、特に寅年生まれの方には「寅まつり」や「寅年特別祈祷」など縁起の良いご利益が期待できる特別な参拝スポットが用意されています。
個人的におススメなのが、「戒壇めぐり」。本堂地下にある真っ暗闇の道を手探りで進むこの修行体験では、八体の仏像や如意宝珠に触れることができ、心身を清め、願いを叶える力があるとされています。
歴史ある建造物や美しい自然にも囲まれ、寅年生まれではなくとも癒されること間違いなしです。
機会があればぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。