若手の離職を防ぐためにやるべきこと |株式会社ライフワークスタイルラボ

若手の離職を防ぐためにやるべきこと

2024.08.07

今回のインサイトは「離職を防ぐためにやるべきこと」がテーマ。

生産性向上に伴奏するCXかえる事業部のコンサルタントが、企業の管理部門が抱える悩みのひとつである組織の生産性を高める方法について、「人材・組織・環境」の面から成功のポイントをお伝えしていきます。

コンサルタント プロフィール

株式会社ライフワークスタイルラボ
CXかえる事業部
ソリューション開発・企画グループ
シニアマネージャー 飯島宗裕

ベンチャー企業の人事責任者、人事コンサルタント、研修講師など人材開発や人材育成に携わって20年以上。
教育制度や評価制度の構築及び「働きがい」「働きやすさ」を生み出す研修や組織開発を得意としている一方、日本酒コンサルタントとしても活動。
「人づくり、酒づくりの専門家」として活躍中。

中小企業診断士、利酒師。

若手社員の離職は突然に・・・

 若手社員の離職に関するアンケート調査がいたるところで行われていますが、リ・カレント株式会社が行った「2024若手意識調査」の結果は興味深いものでした。
アンケートの中に20代の若手社員に対して「直近1年間に仕事を辞めたいと考えたことがあるか」という設問があったのですが、44.3%が「ある」と回答しました。
さらに、「辞めたいと考えたことのある」と回答したうちの51%が、「職場に相談していない」とのこと。

 さて、皆さんはこの数字をどのようにとらえますか?

 私はこの数字を見て、「若手社員の離職は、何の前ぶれもなく突然やってくる」と感じました。
つまり、何の手の打ちようがないまま離職されてしまう可能性が高いのです。

そもそも辞める原因とは何か

 この調査の注意点として、「直近1年間」が「採用されてから」と限定されていないという点です。例えば、「入社して1年の間に」の人と、「入社して3年目だけども、この1年間で」の人では
辞める理由は異なります。
「入社して1年目」の場合、「入社したものの実際に働いてみてイメージが違った」という理由が多く、労働条件、給与水準、人間関係などの影響が大きいと言われています。
一方、「入社して3年目」の場合は、「仕事にやりがいを感じない」「自分のやりたい仕事ができない」という理由が多くなり、1年目社員とは違った傾向が見られます。

 以上のことは、「入社して1年目」の離職は募集・採用が関係し、「入社して3年目」の離職は人材育成が関係していることを意味します。
多くの会社で若手社員の離職が問題としてあがっていますが、その解決には、どの段階(入社年次)の人材の離職が問題なのかをまずは明確にすることが求められるのです。

モチベーション研修で若手の離職は止まるのか

 さて、「入社して3年目」の離職を防止するための策として、モチベーション研修を導入する企業が多く見られます。最近ではエンゲージメント研修を導入するケース増えてきました。では、その研修で若手の離職は止まるのでしょうか。答えは「NO」です。

 なぜなら、そもそも若手社員の離職の原因を捉えないで研修を実施しているケースが多く、研修内容と原因の対策とがつながっていないからです。(しっかりと原因を捉え、内容がその対策につながっている場合はYESの可能性があります)

 先に述べた「入社3年目の辞める原因」を思い出してください。モチベーション研修を行って「仕事にやりがいを感じることができる」「自分のやりたい仕事ができる」ようになるでしょうか。
また、先には述べていませんが、「上司先輩の姿を見て将来が不安になる」「会社の将来が不安である」という理由も多く、一般的なモチベーション研修ではその解決策にはなりえません。

【まとめ】若手の離職を防ぐために必要なこと

 今までのポイントは、以下の3つです。
1, 離職は突然やってくるものであり、相談のない沈黙の離職予備軍がいることを認識する
2, 若手社員の離職といっても、対象年次によって「募集・採用」「人材育成」の段階が変わる
3, 3年目社員の離職について、その原因をとらえないと研修をやっても効果は期待できない

 今の時代、転職活動の障壁はほとんどなくなり、人材の流動化は避けられません。
そのような中、優秀な人材を確保・維持するためには、企業は様々な工夫・対策が必要となってくるでしょう。
そして、それは「離職の原因を解決するための研修」を実施することはもちろん、「この会社で働きたい」「この会社は自分の働き方と一致している」と社員が思う「働きやすさ」や「働きがい」の創出も重要です。

 私たちティーズブレインはこれらを総合的に設計し、人材開発や教育を行います。
モチベーション研修やエンゲージメント研修を行うこと自体は否定しません。
しかし、若手社員が働きたいと思う環境をつくる、若手社員が活躍できる仕組みをつくる、若手社員の意識が高まるための研修を行う、など様々な視点で対策を考え、効果を捉えることが必要ではないでしょうか。
部分的な施策ではなく、これらを総合的にやって初めて、本当の効果が生まれるのではないかと思うのです。

【無料ウェビナーのご案内】「若手社員の離職を防ぐ!」
~それは前ぶれもなくやってくる!離職を防ぐためのプロセスとは~

 「せっかく採用した若手社員が辞めてしまう。どうしたら…」
このような相談を受ける場面が増えています。
しかし、その相談に対する解決策をその場でお伝えすることは困難です。
なぜなら、その原因は企業によって様々だからです。

 一方、しっかりとしたプロセスを踏まずに研修を行ったり、他社の事例を導入した結果、
若手社員の離職が止まらないというケースもよく見られます。

 今回のウェビナーでは、「モチベーションが低下するとどのようなことが起きるのか」という視点と
「どのようにすればモチベーションを高めることができるのか」という視点を踏まえながら、
この問題をどのように解決すべきなのかを、コンサルティングプロセスにそって解説します。

【おまけ】利酒師 飯島の今日の一杯

私は日本酒のコンサルタントもしています。

日本酒業界は古い体質のように思われがちですが、今、若手社員が活躍しています。
業界の固定観念を打破し、新しいことに挑戦する。
その挑戦が、今までにない日本酒の美味しさや楽しみ方を生み出してくれているのです。
「AKABU(岩手)」「あべ(新潟)」「一歩己(福島)」など、若手が活躍している蔵は数多く、美味しいお酒を醸してくれています。
いつもありがとうございます。

みなさん、今日もお疲れ様でした。
美味しい一杯で、乾杯しましょう。

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